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事務所通信

会計:経理の「?」を「!」に キャッシュレス決済の記帳、どうしてる?

 コロナ禍を経て、急速に広まったキャッシュレス決済。クレジットカード、電子マネー(Suica等)、二次元コード(PayPay等)など、その手段も多様化しています。キャッシュレス決済は、その決済方法により、大まかに①後払い式②プリペイド式に分かれますが、いずれも「発生主義」で記帳することがポイントとなります。

 ①後払い式(クレジットカード決済):「取引時」「入金時・引落時」に仕訳が必要

 ②プリペイド式(電子マネー、コード決済):「チャージ時」「取引時」に仕訳が必要

 なお、プリペイド式の電子マネー等は気軽に利用できるため、取引先等との飲食や備品を購入する時などに、プライベートのアカウントを使用してしまう場合があります。そのため、電子マネー等を使用した時は、必ず領収書をもらう、取引履歴をダウンロードして保存しておくなど、お金の流れが分かる証拠をきちんと残しておきましょう。

 そもそも、プライベートのクレジットカード・電子マネー等の利用は、公私混同を招くおそれがあります。そのため、法人カードや法人用電子マネーを使うようにする、業務用携帯のアプリ・アカウントから決済するなど、事業用とプライベートのお金の流れを、きっちり分けられるような仕組みやルールをつくることが大切です。

2025年10月1日

税務:年末調整直前! おさらい!「 年収の壁」

 今年、何かと話題の「年収の壁」。働き方が変化した方も多いと思われます。それに伴う年収の変化は12月以後に行う年末調整にも大きく関係するため、今一度おさらいしておきましょう。

 「年収の壁」には①税金にかかわる「壁」②社会保険にかかわる「壁」の2つがあります。

①税金にかかわる「壁」――納税者本人の所得税(住民税)に影響するものと、その配偶者や親等の税負担に影響するものとがあります。

 ○「110万円の壁」:納税者本人の住民税負担に影響

 ○「150万円の壁」「160万円の壁」「188万円の壁」「201万円の壁」:納税者の配偶者や親等の所得税負担に影響

②社会保険にかかわる「壁」――社会保険料の負担が生じる「壁」をいいます。

 ○「106万円の壁」:一定の条件のもと、健康保険・厚生年金保険の保険料負担が発生

 ○「130万円の壁」:原則として国民健康保険・国民年金の保険料負担が発生

2025年10月1日

経営:できていますか? 売掛金の管理

 「売上は伸びているのに、資金がギリギリ……」という経験はありませんか?考えられる要因の1つに、売掛金の回収遅延があります。

 売掛金の残高は常に確認し、あわせて「変わったこと」がないか考えてみましょう。例えば、売上の伸び以上に売掛金が増加している、入金が遅れている、売掛金が長期間未回収となっている等に該当する得意先がある場合には、売掛金の回収方法を検討することが必要になります。まずは営業担当者が訪問して得意先の状況や支払遅延の理由を確認。最終的には、社長自身が得意先に出向いて自分の目で現場を確認し、先方の社長と「膝詰め」で話し合うことも重要です。

 売掛金が回収できなければ、資金不足を招き、借入れが必要になることも。売掛金の管理は、単なる経理業務ではなく、自社の健全経営を支える大切な業務です。全社員で意識しましょう。

2025年10月1日

会計:その「資産」、本当に「お金になる」もの? 「投資その他の資産」の中身をチェックしてみよう!

 貸借対照表(B/S)の「資産の部」に表示される固定資産のうち、長期的な保有を目的とした資産は「投資その他の資産」に区分されます。具体的には、投資有価証券、保険積立金、リゾート会員権・ゴルフ会員権などが該当します。

 これらの資産は、すぐに現金化するのが難しい(=流動性が低い)という特徴があるため、いざというときに現金化できず、資金繰りが苦しくなってしまうおそれがあります。また、「含み損」が発生していたり、事業承継に影響を及ぼしたりすることもあります。

 「投資その他の資産」に区分される資産は頻繁に取引されるものではないため、見落としがちなところでもあります。「凝り固まった」B/Sになっていないか、年1~2回は、自社の状況をチェックしましょう。

2025年9月1日

経営:今期の決算に向けての「総仕上げ」を(実践編3)

 社長の「今期やりたいこと」を数字に落とし込んだものが、経営計画です。経営計画は毎月の実績と照らし合わせてこそ、その真価を発揮します。期末まであと2か月のところまできたら、着地点を見据えながら今期の「総仕上げ」をしましょう。

 ○まずは、上期の振り返りで検討した改善策の効果と今期の着地点を、数字を基に検証してみましょう。FXシリーズ「365日変動損益計算書」から、当期・前年同期・当期計画の数字を比較・確認できます。

 ○黒字で着地しそうな場合は、納税額とともに決算対策も確認しておきましょう。決算対策においては、今期・翌期の売上や利益、従業員のモチベーションのアップにつながるような「前向きな決算対策」(減価償却資産の購入、決算賞与の支給など)を意識することが重要です。過度な節税は利益を縮小させ、資金繰りが苦しくなるなど、かえって悪手になることがあるので注意しましょう。

2025年9月1日