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贈与税の課税方法の1つである「暦年課税制度」は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた価格に課税されるものです。直系尊属(父母や祖父等)から18歳以上の子や孫等への贈与は、一般の贈与よりも税率が軽減されています。
同制度では、相続等によって財産を取得した人が被相続人の死亡の日からさかのぼって3年の間に取得した財産について、相続税の課税価格に加算されます(相続前贈与の加算)。
令和6年1月1日以後の贈与から、この加算期間が3年から7年に延長されます。加算期間の延長によって相続時に課税される相続財産が増加するため、相続時の税負担が大きくなることが見込まれます。同制度の活用は早めに検討しましょう。
2023年10月05日
受け取るインボイスの対応状況を確認しましょう
取引先から受け取る仕入インボイスについて、取引先の協力を得て、登録番号やインボイスの様式を確認しておきましょう。自社の経理処理に影響がある場合は、取引先と検討することも必要です。
インボイスを発行できない免税事業者等からの仕入については、仕入税額控除ができなくなる分、消費税の納税額が増えることになります。ただし、経過措置として、令和11年9月30日までは一定の割合を仕入税額控除することが可能です。
免税事業者等である取引先に対して、適格請求書発行事業者への登録を要請する際、要請に応じないことを理由に、価格引き下げや取引中止を一方的に通告する、著しく低い価格を設定する――などの行為は、独占禁止法や下請法等に抵触するおそれがあります。
2023年07月03日
見込んでいた儲けの額と、決算書や損益計算書上に表示される「売上総利益額」の数字とに差がある――と感じたことはありませんか?
このような場合、変動損益計算書を利用することで、頭の中でイメージしていた利益構造と実際の数字とを一致させることができます。変動損益計算書は、すべての費用を売上高に伴って増減するか否かで「変動費」と「固定費」とに分けて表示した損益計算書で、売上の増減で限界利益がどれくらい変わるかが把握しやすくなる、などの特長があります。また、変動損益計算書は社長の意思決定の結果が表れる「社長の成績表」ともいわれ、①自社の製品やサービスが顧客や市場に評価された結果②儲けの範囲内で経費をどのように使ったか――が表示されます。
2023年06月07日
インボイス制度への対応はお済みでしょうか。制度開始を目前に控えたいま、自社がインボイスとして発行する請求書等に記載事項のモレがないかあらためて確認しましょう。
インボイス制度では、現在、使用している請求書等(区分記載請求書等)に、①登録番号(「T」+13桁の数字)②適用税率③税率ごとに区分した消費税額等――の記載が必要です。記載事項にモレがないかを確認しましょう。いわゆる「レシート類」の簡易インボイスには、上記①および②③のいずれかの記載が必要になります。
インボイスに記載する氏名・名称等は、屋号や省略した名称でも構いません。ただし、電話番号を記載するなど、インボイスを発行する事業者が特定できることが必要です。
なお、インボイスに記載する「税率ごとに区分した消費税額等」について生じる1円未満の端数処理の方法(切上げ、切捨て、四捨五入)は、事業者の任意で決めて構いません。ただし、端数処理は1つのインボイスにつき、税率ごとに1回のみとされています。
2023年06月07日
令和6年1月1日から、贈与税と相続税のルールが大きく変わります。贈与税には2つの制度があり、1つは「暦年課税制度」、もう1つは「相続時精算課税制度」です。令和6年1月1日以降の各制度の改正内容は、次の通りです。
①暦年課税制度
〇相続開始前7年以内の贈与額を相続財産に加算して相続税を算出(納付した贈与税額は差し引く。加算期間は順次延長)
○延長した4年間(相続開始4~7年前)に受けた贈与のうち、総額100万円までは相続財産に加算しない。
②相続時精算課税制度
○現行の暦年課税の基礎控除とは別途、110万円の基礎控除が創設。
〇贈与した土地・建物が災害により一定以上の被害を受けた場合、相続時に評価額の再計算が可能。
2023年05月01日
会社の資産と経営者個人の資産の区分が曖昧になりがちな中小企業では、外部関係者からの信頼を高めるための第一歩として、会社と経営者個人の資産を明確に区分・分離することが重要です。そのための具体策としては、①経営者個人が所有する資産が会社の業務に使われている場合、賃貸契約書を作成して会社から経営者へ適切な賃料等を支払う②事業に使っている経営者個人の資産はできる限り会社所有とする――などが挙げられます。
また、「経営の基本」である現金管理も、会社と経営者個人の資産を区分するための重要な対応策となります。次のような対応が自社で徹底できているか見直してみましょう。
〇小型の金庫やコインカウンター等を用いて、会社と個人の現金が混ざるのを防ぐ
〇現金出納帳と実際の現金の残高合わせを毎日行う
〇クレジットカードは会社用と個人のカードを分けて使う
〇立替金および経営者への仮払金や貸付金は、早めに精算する
2023年05月01日